ミルコのひかり
2007年のイタリア映画祭でプレミア上映された『ミルコのひかり(Rosso Come Il Cielo)』が現在公開中です。
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『ミルコのひかり』 公式サイトより
1971年イタリア、トスカーナ。映画をこよなく愛する10歳の少年ミルコは、不慮の事故によって両眼の視力を失ってしまう。当時のイタリアでは盲目の子供が通常の教育を受けることが許されなかったため、ミルコは両親と離れ全寮制の盲学校へ転校させられる。自分の目が見えないことが受け入れられず心を閉ざすミルコは、ある日、古ぼけた一台のテープレコーダーを見つける。そこで知った音との出合いが、彼に新しい世界をもたらしていく。
彼の優れた聴力に気がついた担任の神父やお転婆な少女に助けられながら、古い規律を重んじる学校側の圧力にも屈せずにミルコはある行動を起こす。やがて彼の自由を信じる気持ちが閉ざされた世界に留まっていたクラスメイトたちにも夢と希望を与え、周囲の人々や世論をも突き動かしていく‥‥。
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この映画の主人公、ミルコは実在の人物で、現在、数多くの映画のサウンド・デザイナーとして活躍しています。以下も公式サイトより引用させて頂きました。
Mirco Mencacci
この映画の主人公のモデルとなったミルコ・メンカッチは、1961年イタリア、トスカーナ州ポンテデーラ生まれ。楽器をたしなむ父や叔父の影響で幼い頃から音楽に親しみ、ラジオドラマのファンでもあった。8歳のときに事故によって視力を失い、ジェノヴァの全寮制学校に転校。夜になると自分の体内の音が聞こえてくるほど静かなトスカーナから、喧噪にあふれた都会に移り、盲学校で5年間を過ごす。その後、音に対する抜きん出た才能を活かし、イタリア映画界の第一線で活躍する音楽家、サウンド・デザイナーとなる。トスカーナにレコーディング・スタジオを、ローマに音響編集スタジオであるSAM社を設立。本作品の音響編集もこのスタジオでなされた。ボルトーネ監督の一連の作品はもちろん、イタリアを代表する映画のサウンドデザインを手がける。主な作品に、日本でもロングラン大ヒットの記憶が新しいマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『輝ける青春』(03)、フェルザン・オズペテク監督の『無邪気な妖精たち』(01)、『向かいの窓』(03)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督による短編ドキュメンタリー”Michelangelo Eye to Eye”(04)など。
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イタリア語版の予告編です。公式サイトには日本語版もあります。
今日のNHKテレビイタリア語会話で、監督のChristiano Bortoneさんのインタビューが放送されました。その中で、「私達は目に見えるものを重視してしまいがちだが、他の感覚(聴覚や嗅覚、触覚など)からもたくさんの驚きや発見がある」とおっしゃっていました。この映画を観ると、そのことが本当によくわかるし、イマジネーションや感じる心を持つことはとても大切なことなんだ、と気づかされます。また、大人達や社会の価値観で縛りつけられていた子供たちが、いろいろな冒険を通して、本来の強さを取り戻し、希望に満ちて生きていく姿に、勇気づけられました。本当に素晴らしい映画です。
東京での公開は渋谷シネ・アミューズ、神奈川は川崎チネチッタにて9月8日から上映されています。北海道、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、福岡でも公開が決まっています。詳しくはシネカノン公式サイトへ。
是非、観てみてくださいね!
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